【11/15スポーツ文化フォーラム開催レポート】 コピーライター・長谷川 哲士 氏 「スポーツとは’新しい言葉と出会う手段’」
今回は‘他の人がやったことのないことに挑む’戦略で自らのコピーライターとしての地位を確立し、数々のヒットコピーを世に打ち出している長谷川哲士さんをゲストに迎えた「スポーツ文化フォーラム」Session 8より、自分らしい、自分ならではの人生を切り拓きたいと願う私たちに勇気を与えてくれるメッセージを厳選してお届けします。
対談冒頭、過去に例のないラップの自己紹介で登場した長谷川さん。
驚きを隠せない会場の参加者に語られたこだわりとは。
僕は仕事をする上でアクシデントを楽しむことが
大事だと思っています。
例えば、今日のこの対談にしても、
まだ誰もやったことのないことをしたい
という思いからラップを歌わせていただきました。
「仕事では人と違うことを求められていると思っている」と言う長谷川さん。
その思いはどのような信念や生きる姿勢に下支えされているのか。
僕は一年後が想像つくような生き方は良くないと思っています。
‘未来の奴隷’にはなりたくないですから。なので、同じ仕事をしていてもその中で色々チャレンジしているつもりです。一年後も同じ仕事をしているのかと思ったら非常につまらないですよね。
だからどんな仕事にも必ず自分が携わった痕跡を残そうとしていますし、誰もやったことのないことにチャレンジしてみようということは常に意識しています。
好きな言葉はコピーライターの大御所、糸井重里さんの「誰にでも出来る仕事が来たときこそ、自分しかできない仕事をしなさい」だと言う長谷川さん。どんな仕事にも自分の痕跡を残しながら広く世の中に受け入れられるコピーを打ち出していく。
長谷川さんはどのようにして自分と世の中を繋いでいっているのか。
‘自分の判断はどうでもよくて、僕が微妙だと思っている
キャッチコピーでも反応がよかったらその都度、
自分の物差しを変えていかないとダメだと思っています。
そうすると自分の中に世の中の感覚と近い物差しを持っていられると思っているので。
一般的にコピーライターの人は出し惜しみするタイプの方が多いですけど、僕はとにかくテストして反応をみた方がいいと思っているので仕事中も結構話をして、言葉をどんどん出して反応をみるタイプです。
長谷川さんはこれからのビジネスの中核を担うツールであるSNSも上手く自身の仕事に生かされている。一見、ただ好きなことをつぶやいているようにみえて、その背景にはSNSの世界で成功するためのカギを握る盤石な‘企画性’が備わっているのだ。
「ただいきなり好きなことをつぶやいても誰もフォローしてくれない。
企画性も含めてフォロワーは増えていく。そうした作業すべてが広告の仕事と同じだと思っている」と語る長谷川さん。つまり、ただ面白いコピーを書くだけなら誰でも出来るが、(企画性を含めて)それを通す力を兼ね備えてこそプロの仕事だと言うのだ。そのために、世の中の‘反応’への感度を高く持ち、支持してくれる人が増えるように工夫を重ね続ける。
それがコピーライター長谷川哲士さんの仕事に対する姿勢なのだ。
通す力がないといつまでたっても世に出せない。そうすると世に出ているものをみて「あれ、俺も考えていたこと」という一番残念な人になってしまうんですよ。
そして最後に語っていただいた長谷川さんにとっての「スポーツとは」。
スポーツとは「新しい言葉と出会う手段」です。
スポーツにはルールがあり、ルールという制約があるからそれを打破していこうと考える。
そして、考えること、思考は‘言葉’なので、そこに新しい言葉生まれる。
コピーライターとして生きる長谷川さんならでの切り口のスポーツ観で締めくくられる対談となりました。次回2018年2月2日開催のスポーツ文化フォーラムもぜひお楽しみに!