【#スタッフレポ 日比谷音楽祭】
6月1日、2日に開催された日比谷音楽祭。
音楽プロデューサーの亀田誠治氏が、「音楽を、もっと身近に、たくさんの人に」という願いを込めて企画した、東京のセントラルパーク、日比谷公園で開催された「フリーで誰もが参加できる、ボーダーレスな音楽祭」です。
ニューヨークのセントラルパークでの野外フェスを目にした亀田氏が、国籍、職業、年齢、性別など様々な立場の人々が、音楽を身近に気軽に楽しんでいる様子に感銘を受け、日本でも多くの人に音楽をもっと気軽に楽しんでもらいたい、と開催を企画したというこのイベント。有名アーティストのステージから様々なワークショップまで、両日とも盛りだくさんの内容で、まさにボーダーレス&エンドレスな楽しみ方ができ、大盛況でした。
さて、Dr.辻は錚々たるミュージシャンに並んで、音楽を披露させていただいた、、、わけではもちろんなく、ちょっとおもしろいことをさせていただきました。
「音楽家のための演奏をよくするメンタルトレーニング」
~脳波で心を見える化し会場全員で共有する~
と称して行ったのは、脳波(感情の状態)を「見える化」する技術で、モデル演奏家のバイオリニストが苦手な曲を弾いている時の脳の状態を、実際に会場の皆さんと見ながら、メンタルトレーニング前と後でどう変わるか検証する実験です。
揺らがず、とらわれずの心の状態を心理学ではflowと呼び、集中とリラックスが共存している状態です。このとき、人のパフォーマンスは質が高くなります。この状態を自ら導くセルフマネジメントの力を鍛えるのが、辻のメンタルトレーニングです。
今回はモデル演奏家と会場の皆さんでライフスキルを学びながら、脳波で集中とリラックスを見える化して楽しみながらメントレを行ないました。
ご協力いただいた演奏家は、バイオリンを専攻している学生のまひろさん、るなさん。お二人にそれぞれ苦手意識のある曲を弾いてもらいました。
スクリーンに映し出されているのは、脳波計で測定された脳の状態です。
一秒に一回「感情バブル」と呼ばれるバブルがポコポコと現れます。これは、その時の脳の状態(感情)が数値化されたデータをわかりやすく「見える化」したもので、今回のキーワードになる「集中とリラックス」の集中(attention)はオレンジ色の【att】、リラックス(meditation)は水色の【med】と表現されています。
そして演奏後、それぞれにDr.辻がメントレを行います。
どうしても「本番で間違えたらどうしよう」と考えてしまい緊張してしまうというまひろさんには、「とにかく機嫌よくやろうと意識すること」「過去・未来よりも“いま”を意識すること」「結果よりも、ただ一生懸命にやることを考える」の三つをアドバイス。
機嫌がいいことの価値を一緒に考え、「なんで出来ないんだ!ではなく、機嫌よくやろうと思いました。」とまひろさん。
人が多いと緊張してしまうというるなさんには、たくさんの人がいるという外側にとらわれないよう「好きなことを考える」「“今・ここ・自分”に集中する」とアドバイス。
パフォーマンスは「何をどんな心で」するかで決まるため、ノンフローな状態だと何をやっても上手くいかない、という話に、「今まで心の状態を考えることはあまりなかった。常に心の状態を考えるのは難しいと思ったけれど、これからは好きなことを考えながら演奏しようと思いました。」とるなさん。
それぞれメンタルトレーニングを終えた後、2度目の演奏をしてもらい、いよいよ専門家に脳波データを解析してもらいます。
データ解析を待つ間、Dr.辻が認知の暴走がノンフローを引き起こす脳の仕組みを図解で解説しながら、やるべきことに集中しながらリラックス状態を保つライフスキルを鍛えるメントレの意義を講義。スポーツも音楽も仕事も、Flow do it !! だと会場に説いたところで、いよいよデータの解析結果が明かされます!
結論から言うと、今回の公開メントレ、大成功!!
まひろさんもるなさんも、明らかにメントレ後に集中とリラックスの数値が上がっていました。
2回目の演奏後、「表現的に“楽しく”演奏できた」(まひろさん)、「リラックスしてできた」(るなさん)と感想を述べられていたお二人ですが、ただリラックスするだけでなく、パフォーマンスを最大限に引き出す「集中しながらリラックスする」という脳の状態を作り出すのに成功していました!
皆さんの前でデータが出るのを密かにドキドキしていた模様のDr.辻ですが、いい結果が出て安堵の表情を見せていました(笑)
最後は会場の皆さんとじゃんけん大会!勝ち残った一名に近著「集中とリラックス」をプレゼントをすると、大いに盛り上がって終了しました。
当日はたくさんの方にお越しいただき、ありがとうございました。
(エミネクロス・スタッフ)